代表よりご挨拶
自分の命はそう長くはないかもしれない…と感じた時、その気持ちをどのように受け止め、どんな風に過ごしたいと思いますか?
私はこれまで看護師として、病院、地域の中で、たくさんの病気や介護、死に向き合ってきました。
出会った多くの方は、「家に帰りたい」「家に居たい」という気持ちを吞み込んで、言葉にしきれない想いを沢山抱えていたように思います。
厚生労働省が行ったある世論調査では、約74%が「自宅で介護を受けたい」と回答しています。
「介護・医療施設に入りたい」と20%の人が回答していますが、その理由の実に77.1%が「家族に迷惑をかけたくないから」でした。
「家族に迷惑をかけないならば、人生の最期は自宅で過ごしたい」・・・そう思う人がほとんどなのではないでしょうか。
すべての年代の方が、コミュニティの中に安心して最期を迎えられる家があるから、「今」を思いっきり生きてほしい。
この世に誕生するときと同じように、今世を旅立つ時にも祝福を送り見送りたい。
そして何よりも「最高の人生だった、ありがとう」と感謝いっぱいで旅立ちたい。
本人にとっても、家族にとっても、かけがえのない時間になります。どのように過ごすことを希望し、それを叶えられるのか、これは、次世代にも引き継がれる社会のカタチになります。
人生が終わる時「最高に幸せだった。ありがとう」と言って旅立てる社会にしていくことは、誰にとっても大切なことです。その第一歩として、地域コミュニティ創りが必要だと考えています。
超高齢社会、人生120年とまで言われる中、家族の形態も変わってきています。介護も子育ても、これまでの既存の枠を外し、新しい仕組みと捉え方が必要です。
もともと人の誕生も死も、自然のことでありながら、私たちは、それを医療に任せることが多くなりました。もう一度、命のつながりや、本当に望む生き方逝き方について考え、自分たちの手の中に取り戻していく時だと感じています。そのことは、次世代にどのような社会を残していきたいかという答えにもなります。
「かけがえのない経験」を、様々なつながりの中で成長しあえるように、自己探求し、発見、発信する場所となり、誰にとってもいつでも「はじまり」の場となるようにしていきます。
どうか、瞳が輝き笑顔で溢れる家になるよう、今後の活動にご理解、ご協力の程、心よりお願い申し上げます。
NPO法人コミュニティケア・ライフ
理事 冨澤文絵